愛してやまない

観劇ログ、はじめました。

「ソーホー・シンダーズ」

「ソーホー・シンダーズ」観劇しました。男版現代シンデレラ。言葉を選ばずに設定だけを述べるなら、イケメンに見初められる主人公受けBL。

 

あらすじ

 異母姉妹にいじめられながら細々ランドリー経営してるロビーは、政治家のジェイムズと恋仲。でもジェイムズには女のフィアンセがいるし、ロビーは貴族のおじさんとパパ活してる。そろそろ今後のパパ活を断ろうと招待された社交パーティーに行ったら、ジェイムズとの浮気も、パパ活もバレてさあ大変!的な話。

感想

 音楽が本当に良いし、歌って踊れるメンバーだからどの演目もだいすき。体揺らさないように我慢するのが大変。ストーリー自体はわかりやすいけど、土着文化の感覚がないから細かいニュアンス用にもうちょっと知識ほしいかも。日本文化にない感覚は端折られてる可能性あるよね。キャラの過去掘り下げないのは、今を大事にするメッセージかな。その後も生活は続く様を想像させて素敵な結末。みんな自分の信じるものにまっすぐで愛くるしい。顔がいい。全部見てからもう一回観ると、キャラへの感情移入がより深まる。明るい曲調で終わるけど切なさも残るんだよね。
 シンデレラをベースに現代らしいしがらみや虚しさも含まれてて、「普通の」幸せを掴もうとするもがきがグッときたなあ。その普通も人それぞれなんだけど、少なくともお金持ちイコール幸せではないことは知ってるから。みんな好きになった人から愛されたいだけなのに、生きるって難しい!

ロビーのハグが天才だった話

 はやしくん演じるロビーは松岡さん演じるジェイムスとハグする時だけきゅっと服を掴んでるんだよね。袖とか、特に背中に回した手が縋るみたいに服握ったの最高だったなあ。手放したくない気持ちの表れで、きゅーんとした〜!天才!でも、パーティ以降のハグは腕を添えるだけ。ジェイムスから来てくれることが証明されたから、捕まえておく必要がないもの。選ばれたことへの自信だよね〜!ジェイムズもう政治家でもないから引け目もないしね〜!これから一緒に仲良くお母さんの形見の洗濯屋さんをやっていこうね。

ちゅーの時のフード問題

 ジェイムズが人目を忍んで被ってたフードを、クライマックスでロビーがフード被せてちゅーするの、すっごいドキドキしますね。花嫁のベールみたいじゃないですか。かけてるの林くんで、かけられてるの松岡充ですが。今まで人目気にしてのフードが、あの瞬間から二人だけの世界を演出する境界線に意味を切り替えるわけですよ。カーッ!かわいいな!にくい演出です。もうジェイムズは僕だけのものってことじゃん!かわいいな!独占欲もう出していいんだぞ!
 その後カテコ二回目でジャケット着て舞台真ん中二人で歩いてくるのも完全に結婚式。両脇にキャスト別れるから花道になってたしね。キス後恥ずかしがる顔も天才だった。いちゃついてる時の顔が本当にかわいい。はやしくん29歳なのにJKみたいだよ……

意地悪姉妹ダナクロコンビは最高って話

 ダンスも歌もうまい。知ってた〜!意地悪お姉様キャラだけど、めちゃくちゃ愛くるしい。ロビーにキツく当たるのは貧乏で、自分たちが恋愛対象じゃないから。ダナクロコンビは女としての性以外に何にも持ってない。難しいことはわからないけど、ただ愛されたいだけの女の子。マスコミに簡単に蹴落とされる現実を知ってるから、何によって有名になるかに興味はなくて、たった15分の絶頂でも今が幸せならそれでいい。けど、それじゃ埋まらない虚しさも抱えてる。なにもかもが好きだ〜!
 クローダ役の菜々香さんは役のせいもあるけど、クリスティン・チェノウェスっぽさを感じた。WICKEDのグリンダ役ですね。そのままPopular歌いそう。金髪美女ってことに引き摺られてない?ソーホー〜はめちゃブロードウェイミュージカル感あるからつい。

ヴェルクロ泣ける

「一目見た時からロビーを好きだったよ」でもロビーはゲイで、自分はストレートの女だから、ロビーが自分を好きになることはない。自分たちの関係性は姉と弟みたいなもの。ロビーからの信頼は厚いけれど、友達でしかない。家がなくなれば転がり込んでくるし、愛してるとハグもしてくれるけど、全部女友達としてなんだよね。家族みたいなのに、一番家族から遠い存在。ロビーの幸せを祈りながら、自分の運命の人を探してるソニアに泣ける。レミゼ、エポニーヌ枠です。

マリリンがいい女すぎる

「あなたは私を完璧には愛せないのよ」「僕は君を愛してる!」「私は、あなたの全てが欲しいのに?」のジェイムズとマリリンの掛け合いは泣いた。エモ台詞。「(ジェイムズに)恋に落ちる前に、恋してた」卵が先か鶏が先かだけど、結果としてマリリンがジェイムズを好きになってしまったことには変わりない。ジェイムズはマリリンとセックスもできるし、愛してはいるけれど、恋をしているわけではなかった。マリリンは女として結婚年齢にも焦ったし、お互い都合が良かったね。一見強いキャリアウーマンだけど、本当は臆病で傷つきやすい。「ここは(心は)傷つくためにある」の台詞に、マリリンがこれまでどんなにたくさん我慢してきたのか推し量れた。職場にパワハラセクハラおじさんもいるしね……。
 マリリンは作中で唯一ヴェルクロを本当の名前で呼んでくれる。マリリンはパブリックイメージではなく、本質を見てくれる人なんだよね。本当にいい女だ〜。
 ところで、フィアンセとかプロポーズ受けたとか言ってるけど、まだ結婚はしてないんだよね……?
 余談だけど、恋に落ちる前に恋するって「恋に恋して」みたいだなあってロジャハ急に思い出した。『恋に恋するってことは空想にのめり込むこと』ジェイムズもマリリンも自分の等身大以上になろうとした人間だったから、イメージに振り回されて道化を演じてたんだなあ。

最後の男性

 ヴェルクロってマジックテープって意味だと思うんだけど、最後に出てきた男性も黒の縮毛っぽかったから父親か?!と思った。性風俗街の面も持つソーホーなら、父も旦那も不明ってこともありえるだろうし。ヴェルクロの性格的に旦那不明とは考え難いけどね。話の流れ的には未来の旦那(運命の人)なのかな〜?
「頭は考えるため、体はダンスするため」って台詞から、ヴェルクロが元ダンサーって可能性はある。そしたらシングルマザーなのも納得じゃない?80年代NYと近い感覚で見ているけど、どの程度なのかな。イギリス人はみんな踊れる!って言われたら困っちゃうな笑 ソーホーシンダーズは時間軸の起点が曖昧だから、そのあたりの時代背景を掴みかねる。結構現代よりで考えていいのかな。

金魚のモチーフ

 ヴェルクロにとって金魚は幸せの象徴なのかな〜。幸せな家族の思い出がそれだから。一般論ならお金のモチーフになるけど、遊園地にいけるだけの時間や金銭の豊かさを考えると、幸せにはお金が必要とも思ってるのかな。ロビーが返したがった1000ポンドも受け取るように言ってるしね。
 なんで金魚なんだろ。イギリスだと金魚って珍しい、んだっけ。身近なのはアジア圏だよね。原産中国の品種改良種だしね。言葉の軽さを測りかねる。意訳入るかと思ってたけどそのままだったね。

They don’t make glass slippersの訳詞が好き

 ガラスの靴の英語詞は夢見てた世界は手の届かないところにあった諦め・嘆き感強いけど、訳詞は僕には魔法なんてかけられなかった/神様に選ばれなかった悔しさ的な感じで、ニュアンスがちょっと違うんだな。日本語詞の方が自分が強い気がする……うまく言えないけれどなんていうのかな。私は日本語歌詞の方がすき。
 
 Slippersって舞踏会用の滑り(踊り)やすい室内履きのことらしく、高価な一生ものなので本来は「生涯大切にされる存在」って意味も含まれると思うんですが。そらロビーはSlippersもらえないや。大事にされてるだけの男じゃないし、大事にするだけの気概もある。むしろShoesを履くべきなのでは?なんて思ったりもしました。

サーシャについて

 ソーホー・シンダーズはサーシャのタップで始まるわけだけど、事務所やめた後タップ踏んでる時にサーシャは魔女のサイドサドルと出会う。名前を呼ばれた時、サーシャも魔法にかけられた感じがする。かぼちゃの馬車じゃないけど、自転車力車に乗ってお話を飛び出すサーシャがお話を丸く繋いでるんよね。
 サーシャ本当はタップダンサーになりたい青年なのかな。お金がなくてバイトしてたけど、ジェイムズのスピーチに感化されて自分に素直に生きることを決め、ウィリアムに反旗をひるがえす。それからサイドサドルに出会うの、とってもとってもロマンチック。次の主人公は君じゃん!って思っちゃう笑

 元の作品はサーシャアジア系の女だったっけ?韓国系の名前ではないし、中華系かな?中国の人たち名前の発音できないから英名つけるし、アジア圏への差別意識ってあるし。ただそうするとどうしてチャイニーズコミュニティにいないの?って疑問。というか中華系ならそもそもお金持ちだしな、と思ったところでサーシャの実家は金持ち発言を思い出すなど。

 3/24のサーシャの駅のアナウンス、手を筒みたいにしてやってた。キャラメルの箱忘れた?でもちゃんと、それっぽい音になってた。西川さん本当に器用!

Gypsies of the Ether

 ロビーとジェイムズは会ってる時は静かなんだよね。喋ってはいるんだけど、好きだ愛してるって直接的なことは言ってなかったと思う。男娼を否定した時の「僕は君の恋人だ!」くらいかな。恋人だって信じたいけど、フィアンセいるし、信じきれなかったのかなって。
 空間で愛を語り合うって表現めちゃくちゃロマンチック〜☺️キーボードで愛を入力→スワイプで送信したら、トーク画面(空間)いっぱいにすきなこと言える。冗談まじりのよその電話でないで、は言えても本気の行かないで、は言えないもんね。ロビーとジェイムズの出会いも、出会い系サイトなのかな〜?
 相手には婚約者がいるし生身ではほぼ会えない、確かなものを持たないジプシー。これで出会いも出会い系サイトだったら、まさにって感じだけどジェイムズとはどう知り合ったんだろ笑 ガラスの靴を持たないロビーが、代わりに王子様と繋がれるものとして物語からスマホを現物支給されてるのおもしろいな

ダナが生きてる!と思った瞬間

2019/03/17 Fifteen minutes

 15分間の歌の時にダナの靴ストラップが外れる。靴履き直したけどとれちゃって、曲中に回収。ソロパートチューブトップぐいっと引っ張って見せつけるように中にしまったんだけど、さも予定調和ですけどって顔でやるからめーっちゃかっこよかったし、ダナが生きてる!って思って素敵でした。

2019/3/23 I’m so over Men

男なんていらない!の曲中に洗濯機にパンツ投げ入れる手順のはずが入らないし蓋閉めるのキメの音に間に合わないしで、ああんもう!ってなってるダナクロ本当にこの世界に生きてるって感じのアドリブで良かった〜。いらない〜の日替わりネタのところで、ダナが下手階段に座って、ふてくされながら一つ前のシーンで大きいクシャミしたお客さんを関西弁でイジりはじめる笑 「花粉症とか、なんかな?男の声やったな……」クシャミの時ダナびっくりしてたもんね笑 青野さん演じてるはずなのに、素も出てると思うけど笑、すーっごい自然でロンドンに行ったら会えちゃいそうなところ本当に好き♡

カーテンコール挨拶レポ

2019/03/23大阪初日カーテンコール後

林くん:ありがとうございました〜!
松岡さん:大阪初日ということで一言!
林くん:みんな、おおきに〜🤗(にこにこお手振り)

2019/3/24大阪千秋楽

松岡さん:最後の一言シリーズ!大阪で一番すきな食べ物は?
林くん:たこ焼き〜!(どんだけ〜の言い方で)

2019/3/24 まさかの四回カテコ

 クローダが遅れてきたのに、ダナが出てこないので場内ダナコール!青野さんすでにマイク外してる状態でした笑

林くん: 残り4公演あるので頑張ります。ありがとうございました。
松岡さん: たこやき〜のやつといい、コメントといい、本当に優等生!
林くん: 滝沢くんに学んだので(笑)

松岡さん: 本当に(林くんは)ピュアホワイト!千秋楽までに林くんのドロドロしたところを出してあげたい!
林くん: 僕を汚してください笑
  (松岡さんが大澄さん連れてきて、林くん抱きしめられてセクハラされてる笑)
林くん: ちょっと触られました笑

林くん:いい夢見てください〜!(お手てひらひら〜で終了)