愛してやまない

観劇ログ、はじめました。

悪い芝居「ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング」

 悪い芝居「ラスト・ナイト・エンド・ファースト・モーニング」を観劇しました。
 舞台セットの作り込みとライティング、音響に変態的こだわりを感じる。話にねじ込まれる胸糞の悪さ。自分の唾を飲み込む音すら嫌になるくらい息を潜めてしまう。サントラ欲しい。
 今まで観た舞台の中でも指折りトップに入るくらい好きな作品でした。観た後もずっと内臓の中に澱が溜まるような、そんな作品。
 
 一人の人間の役を、複数人で交代して演じていくのは新鮮だったな。演者があくまで役の入れ物って感じでぞくぞくした。生声とマイクの聞こえ方の違いとか、あらゆる効果が意図的に仕組まれていてよくできてるなあって舌巻いちゃうね。凄惨な話をするときの妙な間の取り方が逆にリアル。ややこしい家族関係。覚えていないこと(=わからないこと)と忘れていることの違い。本当のことは事実だけでそこに感情を含めてはいけないだとか、話の作り方も好み。
 
 忘れていたはずの父親の憎しみが引きずり出されるシーンがすき。あと「明後日の朝ごはんは?」の台詞が最高すぎて、聞いた瞬間震えた。