愛してやまない

観劇ログ、はじめました。

「ザ・フォーリナー」

 SHY BOYプロデュース「ザ・フォーリナー」観劇しました。海外戯曲コメディ。何の気なしに行ったらおもしろかったな。さっくり笑える。まだ公演期間中ですが、がっつりネタバレあります。

  

あらすじ

 超・人見知りのチャーリーは、ひょんなことから友人のフロギーに連れられてアメリカに行くことに。
 フロギーは仕事のため、チャーリーは釣宿(シェアハウス的なロッジ)に3日間一人で滞在することになるのだが、初対面の人間とコミュニケーションがとれるわけもない!どうにかしてくれ!とフロギーに泣きつく。ひらめいたフロギーはチャーリーに「英語が話せない外国人として滞在したら、誰もお前に話しかけたりしないよ!」と言うのだが……。
 
 まあ放っておいてもらえるわけもなく、ロッジの人間に構い倒されるチャーリーの可愛さよ。よくわからない原住民という謎設定(詳しくは軍機密のため話せない!と言って押し切る)がさらなる混沌を招いてしまう。けれど、その嘘を通してチャーリーは新たなエンターテイナーとしての才能を開花。
 
 KKK*1に目をつけられて万事休す!みんなで力を合わせて奴らを追い返せ!って感じの話。前半はしっちゃかめっちゃかコメディ、後半ちょっとしたホームアローン
 

所感

 ドタバタコメディだけど、ドタバタの結末は社会的に重たくて、意外と?ちゃんとしてる……と思った。設定もだけど、無茶苦茶なところもあり、馬鹿馬鹿しい海外コメディ!って感じ。あんまり深く考えずにあるがままを笑う舞台*2。キャパ小さいし、とか、あらすじで雰囲気が掴めないなとか、そんな理由で見ない選択をしているのなら、見てみると意外と面白かった!になるんじゃないかな。普通におもしろかったです。
 

江田くん、初主演おめでとう!

 動きを真似するとか、おもしろおかしく何かするとか、そういう動作のコミカルさが良かった。さすがジャニーズだな……。江田くんはやっぱりちょっとした動きがダンスっぽくなる。江田くんは喋りのお芝居より、動きとか表情とかの方が上手だと思うので初座長作品当たりだな〜と思いました。まあサーデラの清水さんや武藤さんがいる時点で、あまり心配はないのですが*3
 
 高田くん初めて拝見したんですが、良い意味であまりジャニーズらしくないなあと思いました。キラキラオーラを出し入れできる人だなあ。スペシャルカテコで踊るの見ると、やっぱりジャニーズだ……ってなるんですけど、お芝居する時は顔の動き方がとても良くて。嫌そ〜!とか、すっごいわかる笑 器用そう。なんでも役できるタイプだろうな。

さすが二枚舌のイギリス人!と思った話

 チャーリーの現妻メアリーが23人もの相手と浮気していて、さらにそいつらをチャーリーに紹介するような悪女なんですよね。それでもチャーリーは「僕は彼女を愛している」と言って離婚していなかったんですよ。
 そしたらロッジで新しい自分と出会い、外人生活が楽しくなってきたところに"メアリーが医者と駆け落ちした"という連絡を受ける。数分落ち込んだ後、速攻キャサリンに寝返る男。思わず、さすが二枚舌のイギリス人!って思っちゃったよ。すでに駆け落ちしちゃってるからチャーリーにはどうにもならないとはいえ、完全にメアリーから心が離れている。三日間の話ですよ、これ。
 正直「軍は命令通りに動けばいいから楽」とチャーリーが言ったものの、それだけでこのコミュ症が優秀な軍人と呼ばれるのだろうか?と思っていたんですが、意外とチャーリーって最初から神経図太いんですよね。英語わからないフリも完璧にできてたしね。自分を偽ることで、オープンになる。ガワがある方が話せるってあるよね。
 
 それでも、まあなんとなくキャサリンには嘘がバレてて、私はそれでもいいよって救済があるラストなんですけどね。見掛け的な嘘じゃなくて、外側を偽ったからこそ、本質的なチャーリーの優しさを見てくれたって感じかな。言葉がなくても伝わるものがある。
 そのキャサリンもデイビッドの外側に騙されていた結果ではあるのですが。キャサリンがデイビッドを好きな理由が尊敬でしかなかったので、崩壊すると愛が冷めるの早かったねえ。日本でガラパゴス成長してる私はなかなかKKK関連を残虐以外の捉え方で見ることが難しい。
 

foreignerについて

 主人公チャーリーはイギリス人なんですが、英語がわからないフリをしているので、"ちょっと頭が足りない"エラードから英語を教わるんですよね。劇中、少しずつ言語を習得していくフリをするわけです。
 そもそもイギリス人の時点でアメリからしたら外人じゃないのかという疑惑。KKKの分類に則っても、イギリス人は国教会信仰だからやっぱりWASPじゃない*4ので排除対象だと思うんですよね。だからすでにforeignerの要件は満たしてるはず。でも同じアングロサクソンの顔で英語喋ったら、そう違いは感じないですよね。日本語綺麗に話す中国・韓国の方って生活する上でそこまで文化に違いはないじゃないですか。ある程度文明が発達すると、わりと似通ったことになるし。
「外国人!みたことないや!」ってテンションが上がるロッジの人々には無意識の差別がある。高度文明ではない未知の原住民に対しての優しさとか、可愛がり方って、自分と同じ目線ではない。見た目は大人でも、ペットとか子供と同じ。その国の言葉が使えないだけで知能レベルを年齢より下に設定されてしまう、気付き。物語の起点が「人と話したくない」だからとは言え、言葉が喋れない人に対する対応には気を付けないといけないなあと反省した。いやこれコメディ舞台なんですけど……。
「出身地は言えないんだ!大切にしてやってくれ」ってフロギーが言ってたのに、ロッジメンバーのコミュニケーションがカジュアルすぎないか?という点もあるけど、まともな要人ならロッジに泊めないよな。
 言葉が話せるようになるにつれ、チャーリーのロッジ内カーストが上がっていくのがめちゃくちゃリアルだったんですよね。文明レベルの上昇の縮図があった。でもフォーリナーとしてのチャーリーの地位は、英語が話せるチャーリーでは絶対に得られなかったものだから、結果オーライなのかなあ。もちろん過ごした時間の密度もあるんだけど。
 

スペシャルカーテンコール

 本編終了後に、武藤さんと徳山さんが出てきて尺繋ぎ。
 
徳山さん: まるで二人に送られた拍手のようですが、今日はスペシャルカーテンコールということでね。今からカーテンコールがありますから。僕も少しだけ出ますので。
 
江田くんがキャスト一人ずつと、ペアダンスする構成。
 

  • 江田くんソロダンス ジャズ系
  • 高田くんと二人でダンス→高田くんは椅子に坐る。
  • キャシーとペアダンス→小島さんストーブ横に座る
  • テーブルで我さんとストンプ(劇中のフォークのやつ)
  • 清水さんとロッキン
  • 徳山さん椅子に足組んで座る。足をなぞったりセクシーめの振付?動き。最後にふわっと投げチュー。
  • むーちゃん(の順番だったと思う。踊ってたよね……?)
  • アンサンブルの皆さんと(だったと思う)

後半本当に江田くん見過ぎてふわっとしてますごめんなさい。
 
清水さん: ちょっと、徳山くんと我さんのあれ何?俺めちゃくちゃ(ロッキンダンス)頑張ってるのに!
 (武藤さんも頷く)
江田くん: 清水さんバリバリロックやってますもんね
 (めちゃくちゃ他人事みたいに言うけど、それ江田くんが振り付けたんやないんか……?)
 

挨拶

我さん

我さん: また近鉄アート館で公演できることが嬉しいです。大阪はおいしいものがたくさんありますね。おかげで体重3キロ増えました!

エンドレスショックに決まった高田くん

徳山さん: 高田くんってジャニーズだったの?!
高田くん: ジャニーズですよ!
武藤さん: 高田くん全然練習で本気出さないの!こんな感じで(さらっと流した感じで)踊ってて!
高田くん: 練習はいろいろ試すから!失敗した時の想定とかね!
 
清水さん: いいなあエンドレスショック。俺も出たい。ジャニーさんに頼んどいて!
江田くん: ジャニーさーん!(上向きながら)

高田くんエンドレスショック出演おめでとうございます。

グッズ販促

武藤さん: いつも私がグッズ紹介してるので、今日は高田くんにお願いしようかな!
高田くん: 僕ですか?!
清水さん: エンドレスショック風でやってよ!
高田くん: エンドレスショック風?!えー……じゃあちょっと明るめにやります!

Tシャツのデザインは江田くんがやりました

清水さん: 今回のTシャツ、デザイン江田くんがやってくれたんだよね。
江田くん: そうなんですよ。僕がやりました。

ロゴっぽいマークがぺたぺた貼ってあるやつ。

当日券のお知らせ

清水さん: Web申し込みは終了したのですが、当日券出します。ぜひ会場までお越し下さい。
 
最後は江田くんと高田くん通路お見送りにて終演でした。

*1:ケークラックスクラン。授業で習う白人至上主義のあれ

*2:私が謎の深掘りしているのは個人的な性質なので気にしないでください

*3:関係性ずぶずぶすぎて心配になるくらい、宇宙Sixによくしてくれている方々。いつもありがとうございます。

*4:国教会はカトリックの派生で、プロテスタントとは別物だったはず