愛してやまない

観劇ログ、はじめました。

演劇ハイキュー!!"飛翔"

 ハイパープロジェクション演劇ハイキュー!!"飛翔"観劇しました。はじまりの巨人以来のハイステ観劇です。

 お話としては春高前のユース合宿と宮城選抜合宿のあたり。ちょうど来年1月からアニメ化するところですね。

 以下、レポと感想。ネタバレあります。

演出について

 今回は二階建てステージに、動くモニターの舞台装置。ハイステの演出って新しくてわくわくする。平面と立体の融合は2.5だからできる良さだね。台詞の投影も効果的。

 ウォーリー木下さん演出は半現実って言うのかな?うまく言えないけど、演劇の嘘がハマったシーンが良い印象がある。空想世界とか過去の回想の可視化がバチッとハマった瞬間が気持ちいい演出家さん。

 キャラ数の問題があるとはいえ相変わらず舞台上に人が多いし、話も複数同時進行するし、どこが本筋か迷うからもうちょっとさっぱりしても良いなとは思う。

 人数いる分、群舞の迫力はめちゃくちゃ良かった。梨本さん振付は今回からかな?プレーらしい振付もあるけど、抽象的な演劇らしい動きがとても印象的でした。

 ハイステって舞台装置凝ってるのに、意外と人力での表現多いよね。照明のテニミュ、映像のノラガミ(これは記憶が正しければだけど)とか、特に2.5次元舞台はいろいろ得意分野あると思ってるんだけど、人力演出と舞台装置はハイステを候補にあげたい。モニターをOP以外に劇中でもちゃんと使える舞台って、そんなに見ない気がするので。

 

 

ハイステはドラマとして楽しむもの

 舞台のメインコンセプトがバレーより、群像ドラマを重視してくれてるから原作ストーリーの良いところがちゃんと出てるね。ただ実写化というより、原案ハイキューの別物って感じ。各々の俳優の個性も前面に出てくるし。演技プランの相違や、多少のキャラブレはご愛嬌かな。

 

 そもそもハイステは"劇団"なんですよね。だから、原作通りを望むのは趣旨違うんだな、と改めて感じた。「ハイキュー!!をベースにしたドラマを舞台で見る」と思う方がはるかにしっくりくる。確かに旧世代は二次元みあったけど、新生もキャスト自身の個性を尊重した作りで、これはこれでおもしろいなと。もっとちゃんと実写化!って感じだったら怒ってたかもしれないけど笑

 

 なにより今回のキャスト陣、春高を観に行ったら本当にいそうなんですよ。こういうリアル感ってカンパニーの良い雰囲気の賜物だと思うから、とってもいいなって思いました。

 

 

潔子さんの陸上部エピソード、泣くよね。

 まさかの潔子リフト。ハイステって人力リフトで高低差出すこと多いけど、チームスポーツって感じですごくマッチしてて良いな〜と思う。でも潔子さんもリフトやるとは思わなかったな。

 

 ハードル走してる時と日向の靴を体育館に届ける時のオーバーラップ。その前の仁花ちゃんに繋げて託した「慣れてね」もそうなんだけど、潔子さんの役作りが良すぎる。演技プランまで解釈全一致でオタク大歓喜。マネージャーも裏方で支えてる人みんな含めてチーム烏野!

 2幕の潔子さんシーンは泣きすぎて双眼鏡まったく持てなかった。バンザイ、君に会えてよかった……

 

 

他校キャスティングも良かったという話

 伊達工は原作より舞台で見るほうがヤンキー度強い。二口くんなんて完全にチャラい<ヤンキーお兄さんだし、頼り甲斐がありすぎる。工業高の男子高校生感あってこれはこれで良かったな。そもそも原作通りにしたら青根ほぼ喋れなくなっちゃう。だてこ〜!おっお!おっお!ラップも治安悪くて好きだった。治安悪いは褒めてます。

 

 星海くんの運動神経抜群の万能感!モニターの映像と合わせてステージを飛び跳ねるんだけど、もう星海でしかなかった。どのポジションもそりゃあできるだろうな、という身のこなし。モニターの映像なしでも本人の力で全公演パルクールできたんじゃないか?と思ってしまう笑 サクサをはじめ、本当にみんな本物だ〜って感じ。

 

 天内、二次元から出てきたんか?完璧すぎでは?リアル頭身・体型。絶対跳ぶスポーツやってたでしょ。バレー経験者なのかな?って調べたらバスケらしい。なるほどな〜!

 というか、女子キャストみんな顔ちっちゃすぎ。握り拳くらいしか大きさなかった。本当に私と同じ人間なのか疑うかわいさ。きっと見つめ合うと素直にお喋りできない。

 

 

モンペ発動してしまうのは許してくれ

 百沢いないんだから仕方ないとはわかっているけれど、言わせて欲しい。バレー強豪校の青城で一年からレギュラーはってる金田一が「難しいことはできねえよ」って百沢のエピ引っ張ってくるのは、青城メンバーはさすが洗練されたプレーって紹介された後でおかしくない?あの人あれで一年生で強豪校のスタメンとれるんだよ?いくら強化合宿とはいえ、黄金川とかのがバレー経験浅いでしょ。でも黄金川はポジティブ思考が才能の域ゆえ、そうそう凹まなさそうだから、いるメンバーから考えると楽してこーぜ!の相手は金田一になっちゃうよなあ〜。合宿で得たものについてそんなに深掘りしなかったから聞き流せる範囲だけど、金田一モンペにもなってしまう。金田一はできる子だって及川さんが証明してくれるんでいいんですけど…………私がメソメソしてしまう…………うう…………

 

 宮城選抜合宿の強烈なサーブくる!!!のサーバーが瀬見英太じゃなかったことへのメソメソ。影武者でも良いから私が瀬見さんのジャンサが見たかっただけ。

 ただ、天童がビッグサーバーだった記憶はないんですが、ステの天童くん*1ならビッグサーブ打てても不思議じゃない感じはする。登場時の天童覚〜!が最高すぎて判定ガバガバになってるな?

 

 牛島不在で、かつ白布くんが選抜合宿の先生みたいなことやってるから、合宿中の五色くんに「少なくとも行動を起こすという点でお前は烏野の10番に遅れをとったわけだ」って辛辣にいうシーン全カットされてるのは泣いた。本筋に関わるシーンじゃないから仕方ないね。でも最強に最高な佐藤信長くんの白布様でこのシーン見たかったよね……。私は一生根に持ちます。

 

 

宮侑が松島くんで良かった

 ありがとう、松島くんの宮侑抜擢!ふざけて踊れてかっこいい。「おりこうさん」のいけずさ。稲荷崎戦までのまだ全容がわからない宮侑として満点。松島くんのサーブモーションのかっこよさだけでも宮侑の大勝利を確信します。やっぱり足長いとジャンサするだけでもかっこいいですね。

 もうまさにCV宮野真守の宮侑って感じだった。ちょっとふざける方向にステ振りが寄ってる。今後の展開考えるとこれくらいのステ振りがちょうどいいよね笑 でもちゃんと真面目もできるので、良い宮侑だった。

 

 松島くんが演じるからこその宮侑の良さにも言及したい。例えば、夕飯の時間にも関わらず、「走ってきます!」と飛び出してしまう影山に対しての日替わり小ネタ。

  • 「あったかいうちに食べぇ!!!!!」(11/9大阪)
  • 「門限は9時までやでー!!!!!!」(11/13大阪)

 原作の宮侑は、たぶん影山にこんなお母さんみたいな言い方しないと思うんですよね。侑って別に、そこまで他人に対して優しくないじゃないですか。悪気はないだろうけど。

 それなのに、舞台の空気感も込みで"松島くんの演じる"宮侑だと、不思議とこの台詞も成立するって思った。原作より人間味を感じるからかな?それでも宮侑の役は崩れないのが本当に良い。キャスティングも役作りも素晴らしい。

 松島くんが西日本(福岡)出身なのでそれ程イントネーション気になることもなく、ノンストレスなのも高評価。

 フロア使って踊るところも、俊敏さが出てて非常に良かった。動き慣れが侑の玄人感に還元されている。

 

 私の記憶が正しければ、サーブモーションもですが、バックトスっぽい動きしてたのもめちゃくちゃ良かったです。背中の柔軟性!大事!それも原作っぽく、ちょっと斜めに見上げるような感じでやってくれるんですよ。

 宮侑のトスって、あげた後ちゃんとボールの軌道を視線で追いそうなイメージがある。おっ、今の完璧やったな!とかイマイチやな、とか毎回自己採点入りそう。まあAパスちゃうかったしあれなら上出来やろとか、それこそ「俺のセットで打てんやつはポンコツや」もそうなんですが。

 松島くんも視線でボール追ってるな〜って感じたので、そういう自分のプレーを通してスパイカーに誠実なところ、めちゃくちゃ宮侑じゃん!!!って嬉しくなっちゃった。深読みしすぎかもしれないけど、オタクはこういう小さな幸せを大事にします。オタクなので。

 

 初日カテコのかっこつけなあかんとこで、バランス崩しちゃったところもチャーミングでしたね。他校メン笑ってたね。他の公演はビシッと決まってました。

 個人的に冒頭の初詣パートで白布くんとパリピモブやってたのがチャラYouTuberみたいですきだったな〜。たまにサングラス下ろして、じと〜ってお店の人たち見るのも治安悪くて素敵でした。治安悪いは褒めてます。

 

 は〜〜、この宮侑があんまいきんなやとかセッターやもん!ってやってくれるんですよね?稲荷崎戦のチケット何枚買えばええねん。積むわ。もう今から楽しみで仕方ないです。ネルケ頼んだぞ!!!!!!

 

 

なにはともあれ白布様

 白布くん演じる佐藤信長くんのジャンプトスにめっっっっちゃくちゃ感動した。ジャンプしてからトスアップモーションまで、空中で僅かな間があって。これがいわゆるブロックを引きつける時間なんだろうなあ。空中姿勢が美しいから、一瞬止まって見えるんですよね。

 普通、ジャンプの最高到達点に達した瞬間には流れるようにトスしてる(トスアップが完了している状態)と思うんですけど、ボールに触れるのをギリギリまでねばって*2、相手を引き付けてからスパイカーへ配球する。独立した動きがリンクして、プレーを駆動させる。これぞセッターのトス!って感じでめっっっっちゃ興奮しました。牛島さんにボールをあげるだけが俺の仕事じゃないもんな……!セッターが支配者っぽくて一番かっこいいよ……

 

 あとレシーブでボール飛ばしちゃった時のパァン!って弾かれた腕の動きがガチすぎませんか?私には弾かれたボールが見えた。リアルバレーで見たことある動き。その後のクソ!って表情だけで負けず嫌いオーラ出てるのも白布けんじろ〜って感じだし、すべてにおいてリアルで良い。

 

 これだけ聞くと逆に白布くんがこんなにガチうま選手でいいのか?瀬見英太の方が優秀疑惑があるくらいなのにパワーバランス大丈夫?と言いたくなるかもしれないんですが、これがまた佐藤くんは白布様でしかないんですよね。白布くんっていうよりはもはや白布様。高貴・高尚・王者の貫禄。白鳥沢に選ばれし男……

 

 

最前線に立つ人たち

 三次元のリアルバレーにハマっていることもあり、「自分がチームにどう貢献できるか」「最後まで選択肢であり続けろ」と言った言葉が、いろんなリアル選手たちのインタビューと重なってぼろぼろ泣いてしまった。

 積み上げてきたものなんて想像以上にあっけなく終わってしまう世界。それがどうした!って挑み続ける人は、誰だってみんな美しくて素晴らしい。改めてハッとさせられるハイキュー、めちゃくちゃいいコンテンツだ。

 

 

まとめ

 それは違うよ!とか、細かい用語や言葉の使い方間違ってたら許してほしいんですが、感動ポイント盛り沢山でした。

 もともとハイステのキャスティングは信頼あるんだけど、今回もその期待に応えてくれる抜群の陣営だった。須賀くんたちの後ってプレッシャーすごそうだけど、新生烏野をはじめ、他メンもぽいな〜!って感じで、期待以上に良かったし、やっぱりお話そのものが好きなのでずびずびに泣きました。ハイステっていいな。

*1:加藤健くんってなんか普通に腕っぷしも強そうじゃないですか?

*2:ボール落下地点の見極めが速いゆえ、時間的余裕があるということかもしれない